青森県は1日、「土砂災害が発生するおそれがある箇所」として新たに県内2646カ所を抽出し、県のホームページで公表した。県では既に急傾斜地の崩壊や土石流の危険性が高い「土砂災害警戒区域」に4054カ所を指定している。新たに公表したのは、同区域になり得る場所で、県は広く県民に周知することで防災意識を喚起し、災害対応の強化や避難体制づくりを推進する。
国の「土砂災害防止対策基本方針」の変更に基づく対応。高精度な地形情報を使用して勾配30度以上の斜面を抽出した上で、人家の有無、現地調査による地形や保全対象などを確認し、絞り込みを行った。
市町村別では、十和田市が237カ所(急傾斜地197カ所、土石流40カ所)で最も多く、次いで三戸町225カ所(急傾斜地215カ所、土石流10カ所)、むつ市221カ所(急傾斜地120カ所、土石流101カ所)と続いた。
県南地方では、八戸市127カ所(急傾斜地63カ所、土石流64カ所)、三沢市7カ所(急傾斜地7カ所)、田子町140カ所(急傾斜地115カ所、土石流25カ所)、七戸町108カ所(急傾斜地102箇所、土石流6カ所)など。野辺地町、横浜町、東北町、六ケ所村は抽出作業中で、今年12月にも公表する予定。
今回の抽出箇所は直ちに土砂災害防止法に基づく規制はかからないが、今後の基礎調査結果で土砂災害警戒区域などの指定要件を満たした場合は、指定手続きが進められる。
詳細な場所は、県の専用サイト「青森県土砂災害警戒区域マップ」の「新規抽出箇所」から確認できる。
【写真説明】
青森県の専用サイトで公表した土砂災害が発生する恐れのある箇所の画面。中央部のグレーの網掛け部分が該当箇所