【八戸市予算案】<防災力強化>能登地震教訓、トイレカー配備へ

 八戸市は災害発生時の避難所などにおけるトイレ不足の対策として、個室型便所を搭載して自走できる「トイレカー」を配備する。青森県内で所有する自治体はこれまでなかった。断水時でも利用できるため、避難者の健康面や衛生面に関わるトイレ問題の解消につなげる。

 市では過去の災害でトイレ不足に陥ったことはないが、防災上の重要課題に挙がっていた。実際、1月の能登半島地震の被災地では、断水によりトイレの水を流すことが難しくなり、避難所の衛生環境が悪化する事態となっている。

 市災害対策課は「トイレ環境を整えることは避難者にとっても優先順位が高い」と強調。トイレカーは自走するため、各避難所を巡回できるという。2024年度の事業費として3千万円を計上。2台程度の導入を検討している。

 防災関係ではこのほか、市立市川中や根岸小など10カ所の津波避難ビルに設置しているキーボックスの自動解錠システムについて、インターネットで遠隔操作できるようにする。Jアラートと連動可能で、より円滑な避難の助けとしたい考え。事業費は850万円。

 また、22年11月の津波避難計画に沿った標識の新設や表示内容の変更などの整備事業費として1億5300万円を盛った。
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