【震災13年・備える】伝承の大切さかみしめ 久慈、野田でイベント

【震災13年・備える】伝承の大切さかみしめ 久慈、野田でイベント

 東日本大震災から13年を迎える前日の10日、久慈市で防災学習イベント、野田村で被災写真返却イベントが行われた。参加者が震災を伝承していく大切さを確認し、有事の対応の在り方を考えた。

 久慈市中央市民センターでは、久慈青年会議所(嵯峨健太郎理事長)が「鎮魂と希望の灯(あか)り~今、私たちにできること~」と題したイベントを開き、市内の小学生と保護者ら約30人が参加した。

 防災学習では、参加者が「有事に離ればなれになった家族が出会えるようにするには?」「避難所で回りと仲良く過ごすには?」など六つの設問で、それぞれ五つの選択肢から一つずつ選び、総合的に自助、共助、公助のどの傾向が強いかを確認した。

 自助傾向と出た高橋湊君(市立久慈小2年)は「大きい地震の時はすぐ逃げて、一人で何でもできるようにならないと。でも、回りに困った人がいたら、助けたい」と話していた。

 イベントでは、11日の追悼行事で使用するろうそく作りの他、市の大粒来輝行防災対策官による講演も行われ、できる限りの備えをする大切さを学んだ。

 一方、野田村保健センターでは、復興ボランティア「チーム北リアス」写真班による被災写真の返却活動と、その活動などを描いた映画「浅田家!」(2020年公開)の特別上映会が、モデルとなった写真家浅田政志さんも参加して行われた。

 ピーク時には約8万枚あった被災写真は、返却が進んだとはいえ、今も約1万枚が残っている。写真班は写真を検索しやすいように、22年から残る写真のデジタル化を行い、本年度でおおむね完了した。被災写真は同センター開館時間中なら閲覧可能。

 同日の活動にも村民らが訪れ、アルバムを持ち帰った人もいたという。写真班リーダーの外舘真知子さん(八戸市)は「震災から時間が経過して心に余裕が出てきたら、改めて探してもらえたら」とアピールしていた。

 会場には、積雪の影響で中止が決まった「3・11 夢あかり」で設置予定だった村内の小中学生手作りのキャンドル約300個も展示された。

【写真説明】

防災ゲームに挑戦する親子=10日、久慈市

 

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