野田村立野田中(菊池勉校長)の3年生が9月11日、地元デイサービスセンターと連携して、村内で高齢者の津波避難訓練を行う。歴代の3年生が作成した「逃げ地図」を活用する初の取り組み。8月29日には生徒たちが同校で防災講話に臨み、村の防災体制や避難訓練の際の注意点などを学んだ。
同校3年生は代々、「私たちの野田村をつくっていこう」をテーマとした総合学習に取り組んでいる。村ハザードマップをベースに、災害時はどんなルートで避難すればいいかなどを地図に落とし込んだ逃げ地図の大雨・土砂災害版、地震・津波災害版を2022年度までに作成。23年度は逃げ地図のデジタル化を手がけた。
本年度は、先輩たちが作成した地図を活用しながら、少子高齢化が進む地域の中学生として何ができるのかを考える。
東日本大震災から13年半となる当日は、村役場近くのデイサービスセンター「あづび」と連携。利用者に逃げ地図について説明した後、地震・津波災害を想定して、生徒たちが車いすなどを使って、利用者を約900メートル離れた浸水想定区域外の施設まで実際に誘導、避難させる。逃げ地図通りの動きができるかどうかも検証する予定だ。
事前学習の機会として行われた防災講話では、同村の工藤剛防災官が「有事には避難する意識を持ってほしい。有事に備えて多くの知識を持ってほしい。“意識”と“知識”は生き術(すべ)だ」と強調。生徒たちは自助、共助、公助の仕組みなどのほか、訓練当日の避難ルートで注意するポイントなどについて説明を受けた。
3年生の橋場優成副委員長は「災害発生時にどのような気持ちで行動すればいいのか分かった。避難訓練には今回学んだことを踏まえて、緊張感を持って取り組みたい」と気を引き締めていた。
【写真説明】
工藤剛防災官(左)の話を聞く野田中3年生