【猫の日特集】ペットと避難、課題は 受け入れ体制は道半ば

【猫の日特集】ペットと避難、課題は 受け入れ体制は道半ば

 地震や豪雨の自然災害が頻発する近年、飼い主にとって気がかりなのは、猫や犬などペットとの避難の在り方だ。八戸市では指定避難所136カ所全てで、飼い主とペットが同一避難施設での生活が可能となっているものの、十分な受け入れ体制の構築は道半ばな状況。市は本年度、ペット避難に特化した図上訓練を青森県内で初めて行い、今後に備えた課題の洗い出しをしている。

 ペットを連れた避難は災害のたびに課題となる。2011年の東日本大震災では、やむなく自宅に残したペットが山野に逃げ、自治体などが対応に苦慮。また、一緒に過ごせる施設が限られたため、被災した自宅や車中での生活を選ぶ人もいたという。

 これを踏まえ、環境省は13年にペットとの同行避難を推奨するガイドラインを策定し、自治体に対応を含めた避難所運営の指針作成を求めた。八戸市では避難所運営マニュアルに扱いを定めている。施設への避難後、人とペットのスペースを別室にするなど分けた上で、飼い主の責任で飼育することとしている。

 ただ、実際にペットとの同行避難を想定した訓練は行ってこなかったため、市は今年1月末、県、環境省とともにペットの避難に特化した訓練を実施。防災や保健衛生に関する職員らが、連携体制を確認した。

 訓練では、ペットフードや猫砂、ケージなどの備蓄が足りないことなどが問題点として挙がったという。市は「各避難所でも備蓄を進めながら、所有者にも備蓄品やペット用品を用意してもらうように啓発活動を進めていく必要がある。訓練をきっかけにより良い避難の在り方を考えていく」としている。

【写真説明】

飼い主とペットが避難してきた場合の想定などについて訓練した八戸市職員ら=1月下旬、八戸市
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