洋野町防災訓練が9月29日、同町沿岸部と町立大野中体育館で行われた。本年度、町地域防災計画が改正されてから初の実施となり、沿岸部では津波からの避難訓練を、大野地区では河川の洪水・浸水を想定した訓練を行い、それぞれの地理に応じた有事への備えを確認した。
岩手県が公表した最大クラスの津波浸水想定と被害想定で、町内では浸水想定区域が拡大。また、新たに最大規模の降雨を前提とした県の洪水浸水想定区域指定でも、町内の3河川が該当した。町はこれらを反映し、4月に地域防災計画を改正した。
町は同日、震度6弱を想定した沿岸部の津波避難訓練で、従来の避難場所までの道のりに加え、各地区で新たに策定した、津波浸水から最低限逃れられる「避難目標地点」の確認を要請。参加者は防災マップに示された避難目標地点を確認しつつ、計23カ所の避難場所へ向かった。
大野中体育館では、大野地区中心部を流れる大野川の洪水浸水想定について、町防災推進室が解説。山間部で最大10メートル、中心部でも最大5メートルに到達する恐れがあるとして、避難指示発令時の速やかな行動を呼びかけた。
参加者は室内テント設営などの避難所運営訓練を行ったほか、避難路が浸水した際に危険となりうる箇所を探索。道路の凹凸や段差、マンホールなどの位置を確認していた。
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