広域防災拠点、久慈など10エリアに拡大/岩手県

 岩手県は26日、災害時に被災地を支援する広域防災拠点の配置計画の変更について決定した。支援部隊の活動拠点となるベースキャンプ機能、支援物資の受け入れ・分配機能などを備えた広域防災拠点の配置箇所を、現在の内陸5エリアから、沿岸部を含めた10エリアに増やし、さまざまな災害の発生時に、各地をもれなくカバーできる体制の構築を目指す。運用開始は4月1日。

 26日、盛岡市で開かれた県防災会議(会長・達増拓也知事)で報告された。配置計画の変更は2014年3月の策定以降、初めて。三陸沿岸道路といった復興道路の整備の進展、風水害の激甚化など策定後の状況を踏まえた。

 現在、県内全域で発生する大規模災害への支援に対応する広域支援拠点に盛岡・花巻エリアを設定しているほか、より被災地に近い後方支援拠点として二戸、葛巻、北上、遠野の4エリアを指定している。

 今回の変更では、想定する災害として、従来の地震、津波、火山に風水害を追加。後方支援拠点に内陸部の一関、沿岸部の久慈、宮古、釜石、陸前高田の計5エリアを追加する。

 さらに、各エリア内の既存施設で▽指定避難所に位置付けられていない▽電気・水道・トイレといった設備が整備されている―などの基準に沿った広域防災拠点構成施設に、久慈市総合防災公園、洋野町のオーシャン・ビュー・スタジアムなどを加えた。施設数は29カ所から47カ所に増える。

 県は今後、構成施設管理者による連絡会議を開き、施設間の連携を充実・確認。定期的に施設を調査し、現状に応じて見直しを図る方針だ。
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