外国人と防災学ぶ インドネシア実習生ら参加し演習 八戸・江陽地区

外国人と防災学ぶ インドネシア実習生ら参加し演習 八戸・江陽地区

 外国人労働者が勤務している企業が周辺に多く立地する八戸市江陽地区で10日、外国人と日本人が共に防災について学ぶ「地域で育むBOSAI力講座」が開かれた。造船会社で働くインドネシア人の技能実習生と地域住民ら約40人が参加。避難所に身を寄せた外国人への対応を想定した演習などを通じ、参加者は多文化共生に向け顔の見える関係づくりに努めた。

 市、市連合町内会連絡協議会、八戸国際交流協会が主催。2020年度から上長、白銀、鮫、桔梗野の各地区で開催してきた。

 会場の江陽公民館では、外国人と日本人が別々の部屋で受講。外国人には避難場所や津波の仕組みなどを説明し、日本人には外国人に対応する場合の優しい日本語の手法を紹介した。

 その後、合同で避難所に身を寄せた外国人への対応を想定した演習を実施。避難所の担当者役を務めた日本人が外国人に対し、「避難者登録カード」に沿って名前や国籍、けがの状況などを聞き取った。日本語が苦手な外国人が訪れた場合は、意思疎通を図るためのツール「多言語指さしボード」を使った。

 参加したルディ・ハリヤントさん(28)は「災害に備え、パスポートや水、食料を用意している。避難所に行ったら、自分の状況をしっかりと伝えたい」と話した。

 江陽町内連合会の山田広会長は「町内に在住する外国人の居住場所や国籍、人数が把握できず、コミュニティーづくりが難しい」と課題を指摘。その上で、「言葉の壁は大きいが、どうすれば相手に伝わりやすいのかを学ぶことができた。今後の対応を考えたい」と語った。

【写真説明】

外国人と日本人が一緒に防災対応を学んだ講座
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