春の火災予防運動(8~14日)に合わせ、十和田消防署(川村宏範署長)は12日、青森県立三本木農業恵拓高(小泉朋雄校長)で消防訓練を行った。参加した消防隊員約25人と、同校生徒約560人が万が一に備え、防災意識を高めた。
訓練は、地震が発生し給湯室から出火、初期消火に失敗し、放送で生徒に避難を呼びかけたものの、屋上と玄関上にそれぞれ1人が逃げ遅れて取り残された―との想定で実施された。
生徒は校内から玄関前に一斉に避難。消防隊員がはしご車で屋上にいる要救助者を救出したほか、放水作業に取り組み、その様子を生徒たちが固唾をのんで見守った。
訓練終了後、川村署長は生徒や教職員に「『災害は忘れた頃にやってくる』という言葉はもはや死語。常日頃から災害を想定し、いざという時に備えて欲しい」と呼びかけた。
同校で年3回行う防災訓練に携わる防災委員長で、環境工学科3年の下澤徳康さん(17)は「懸命に訓練に取り組む消防隊員を見て安心したのと同時に、いつも地震や火災に備えておかないといけないと痛感した」と語った。
【写真説明】
地震による火災を想定し、はしご車で逃げ遅れた生徒を救出する訓練を行う消防署員ら