阪神大震災の発生から30年の17日、青森県は防災力の強化に向けた「アクションプログラム(行動計画)」(2024~28年度)を策定し、公表した。県の災害備蓄品に乳児用の粉ミルクやおむつ、大人向けおむつ、生理用品の4品目を追加し、計8品目に増やす。調達コストを抑えるため、市町村との共同購入を始める。
県が防災に特化した行動計画を作るのは初めて。能登半島地震を踏まえ、半島地域特有の課題への対応を加速する狙いもある。
計画は自助・共助の向上、災害関連死を減らすための避難所の環境改善、自治体の対応力強化の3本柱。各分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)も進める。28年度までの工程表も示した。
自助・共助では、県や市町村、県民の役割を明確にした「防災基本条例」を25年度に策定する。55・7%にとどまる自主防災組織の組織率は、全国平均の85・4%を目指す。
避難所の環境改善は「避難所TKB(トイレ、キッチン、ベッド)向上」と銘打ち、食料、水、毛布、簡易トイレの備蓄4品目を拡大する。共同調達は少なくとも27市町村と導入する方向で調整中している。
一方、自治体の対応力強化では、避難所運営マニュアルなど国が市町村に求めている計画の作成を県が支援する。
備蓄品の多様化を巡り、宮下宗一郎知事は「乳幼児や高齢者向けの品目、女性の生活用品にはこれまで光が当たっていない面もあった。今後はしっかりと整えていきたい」と強調。災害関連死の減少につなげる考えを示した。
【写真説明】
防災力強化に向けた青森県の行動計画を説明する宮下宗一郎知事=17日、県庁