むつ市が同市関根に整備を進めていた「市防災食育センター」が完成し、17日、現地で落成式が行われた。市内の学校給食の調理施設を集約し、災害時には救援用の食事を提供するほか、食育を学ぶスペースも設ける。新年度から計14校に給食が提供され、順次配送先を拡大する予定。
鉄骨造2階建てで、延べ床面積約2600平方メートル。2023年6月に着工し、25年2月14日に完成した。総事業費は34億8700万円。建設工事費の4分の3にあたる約22億円は防衛省の補助金を活用した。
市教委によると、約3500食の給食が提供可能でアレルギー対応の専用室も整備。2階から調理の様子を見学できるほか、調理の疑似体験ができるスペースを設け、食育を推進する。
約3千キロのコメの備蓄が可能で、災害時はおにぎりと汁物を1日9千食、3日間にわたり提供できる。駐車場は防災広場として、炊き出しや給水車の活動スペース、救援物資の輸送拠点などとして活用する。
落成式には関係者約60人が出席し、テープカットを行うなどして完成を祝った。山本知也市長は「食育面では、子どもたちがどう調理されて口に入るか考えられる施設。防災の観点からも市の安全が高まる」と施設の意義を話した。
【写真説明】
2階から見学できる調理室。食育にも活用される