災害時に備えた避難所運営訓練が10日、階上町立階上中で行われた。同校の1年生と保護者ら約100人が参加し、出産前後の女性や高齢者など、多様な事情を抱えた避難者に配慮した避難所づくりについて知恵を出し合った。
防災意識の向上や、男女共同参画の視点を持った人材育成を目指し、一般社団法人みらいねっと(小山内世喜子代表理事)が協力。同校は本年度から1年生を対象に、東日本大震災などを知ってもらう防災体験学習を実施している。
この日は小山内さんが、全国各地の避難所で発生した課題を紹介。性暴力などの犯罪や災害関連死を防ぐため、プライバシーの確保や、避難者同士で協力する必要性を強調した。
参加者は生徒と保護者ごとに分かれ、それぞれに衛生班や情報班などの作業グループを結成。段ボール製ベッドの組み立てなどを体験したほか、各テントを授乳用やおむつ交換用、ファミリー用などに割り当てたり、タイムスケジュールや成人の飲酒・喫煙の可否、ペットの受け入れなどについて話し合ったりと、実際の現場を思い浮かべながら取り組んでいた。
1年泉山唯翔(ゆいと)さんは「災害関連死の数が思ったより多いと知り、衝撃だった。体操や見守りなど、自分たちでもできることを考えたい」と話した。小山内さんは「親子での訓練参加はあまり例がなく、情報共有などの点で効果的だと思う。各家庭でも有事の際の対応を話し合ってほしい」と期待を寄せた。
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