青森県防災士会八戸支部に所属する防災士植村金造さん(70)が6日、八戸市の「こもれびのもり幼稚園」(田頭初美園長)で防災講話を行った。消防職員時代に習得した腹話術を披露しながら、地震や火災、大雨が起きた際の心構えを解説。子どもたちは植村さんと人形の軽妙なやり取りを楽しみながら災害時の対応を学んだ。
植村さんは消防職員だった40年ほど前、防災のPR活動の一環で腹話術を練習し、子どもたちに見せていた。同幼稚園の前身の園でも披露したことがあり、それを覚えていた田頭園長が「もう一度子どもたちに腹話術講話をしてほしい」と依頼。園側は当時使っていた人形「しょうちゃん」を修繕し、植村さんが久しぶりに一芸を見せることになったという。
この日は幼稚園の避難訓練があり、0歳~年長の園児約90人がホールに集合。植村さんは「しょうちゃん」と一緒に災害の怖さや正しい対応を解説した。
杉山紘斗ちゃん(5)は「(災害が起きたら)命を大事にするということが分かった。しょうちゃんの話もおもしろかった」と満足げ。“大役”を終えた植村さんは「今日は7割の出来。もっと反応を見て進められたらよかった」と苦笑し、「子どもたちが防災を知り、自分の命を守ることを考えてくれたら」と願いを込めた。
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