【震災13年・備える】はびこるデマ、どう対処/災害時のSNS

【震災13年・備える】はびこるデマ、どう対処/災害時のSNS

1月の能登半島地震では、真偽の不確かな情報が交流サイト(SNS)を通じて拡散された。中には虚偽情報に基づき消防や警察が出動していたケースも複数あり、災害対応に影響を及ぼした。被災地の混乱を招いたり、被災者を不安に陥れたりするデマの拡散は、2011年の東日本大震災でも八戸市などで確認されている。災害時のデマにどう立ち向かうか―。対策が必要な課題の一つだ。

 「息子がタンスの下に挟まって動けません 私の力では動きません」。能登半島地震発生後、現地の住所とともに書き込まれた投稿。これを見た第三者が通報し、警察がその住所の家を確認したが、住人は無事だった。

 東日本大震災時には「電力が不安定で、いつ停電になるか分からない」「航空自衛隊の情報で、夢の大橋のガスタンクが危ない可能性がある」などといったチェーンメールが八戸市内を中心に飛び交った。16年の熊本地震でも動物園のライオンが逃げ出したとのデマが広がった事例がある。

 八戸消防本部によると、119番通報の内容が虚偽かどうか判断する要素として、電話でのやり取りや通報者の位置情報などがあるが、常に正確に判断するのは難しい。事案の見落としをなくしながら、詳しい状況把握が求められるため、通報を受ければ可能な限り現場に向かうという。

 出動事案が同時多発的に発生する可能性がある、大規模災害時は消防車や救急車などの資機材も限られているため、同本部の担当者は「本当に助けを求めている人の救助が遅れたり、現場に行けなかったりするケースがある」と語る。

 一方、デマ対策に対して、八戸市は「公的機関の情報を信頼してもらい、正しい情報を発信し続ける」との姿勢。市民が情報を見極めるのが難しい場合には、誤った情報であると知らせることも想定されるという。

 今後も災害情報などを配信する「ほっとスルメール」や市が運営するSNSなどを活用しながら、正しい情報発信に務める考えだ。

 

【写真説明

災害時の活動を阻害する可能性もある交流サイト(SNS)の活用。専門家は「根拠の分からない情報はむやみに拡散しないことが重要」などと指摘する(写真はイメージ)

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