中学生ができる備え考えよう 洋野・大野中で震災学習

中学生ができる備え考えよう 洋野・大野中で震災学習

 東日本大震災から13年目を迎えるのに合わせ、洋野町立大野中(古里康彦校長)で2月26日、震災学習授業が行われた。防災教育に長年携わる岩手県立図書館の森本晋也館長が講師を務め、震災の記憶が薄い全校生徒に、中学生にもできる防災への備えを呼びかけた。

 森本さんは2006~10年度に釜石市立釜石東中に勤務し、防災教育を担当。震災後は同市の災害応援や大槌町の学校再開など、津波被災地の復興支援に尽力し、文部科学省安全教育調査官などを歴任した。

 講話で森本さんは、震災前に釜石東中と近隣の鵜住居小の児童生徒が、高台へ率先して避難する訓練を経験したことで、震災直後も助け合いながら地元住民らを巻き込み、的確な高台避難で多くの人命を救ったことを紹介。▽災害を自分ごととして捉える▽自分で調べ、考え、行動する▽みんなの命が助かる方法を考える―などの教訓を伝えた。

 県が指定した洪水浸水想定区域では、大野中の近くを流れる大野川も氾濫の恐れがあることを指摘。「地元の地形を調べてハザードマップを作成するなど、平時でも皆さんが力になれることは多くある。助けられる側から助ける側になり、防災文化を継承して」とエールを送った。

 1年池田結月さん(13)は「中学生主導で避難訓練をした例もあると知り、とても参考になった。地域住民みんなが参加する訓練をやってみたい」と意欲を見せていた。

【写真説明】

中学生が貢献できる地域防災の役割を伝える森本晋也さん
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